あの頃の私達はまだ幼すぎた

~♪♪~♪~

携帯の着信音が鳴り響く。

最近ハマってる関西アイドルのバンド曲。

そしてその持ち主はもちろん。

「電話だ…」

私で。

ディスプレイをみれば眉間にシワをよせる自分の顔と共にあの人の名前。

「でないの?」

不思議そうに問いかけてくる紫苑。

「今でるよ、長引きそうだから先生のフォローよろしくね」

偽りの笑顔を作り教室を出る。

入学して2ヶ月と22日目。

私の運命が変わった日。

時刻はPM1時03分

五時間目の授業は古典。

季節はセミの声が聞こえてくる。

凄く暑い。初夏の木曜日。