あの頃の私達はまだ幼すぎた

「一口食うか?」

「あ、大丈夫だよ。それよりも秋練習でお腹減ってるんだからたくさん食べて」

「お前は?食べないの?」

「いーかな…。お腹減ってないし」

「菜美台所借りるよ?」

「え?え?」

「確かね…この前買っておいたうどんがこの辺に…」ガサゴソ

「あ、乾麺なら上の棚に移したよ!」バタバタ

「えー…俺届かないのにわざとぉ?」

「175㎝が何言ってるのさ」

リビングを覗けば何か話してる皆。

ふふっ。

「菜美。」

「ん?」

「良かったね。ここが菜美の家だよ」

鍋でお湯を沸かしながら信吾さんは話し出す。

「血が繋がってなくても家族だよ俺達は」

「もちろんそこにいる心優しい子達もね」

ピタッ。

「だから自分の事を嫌いになったらダメだよ?それはもうどうしようもないんだから」

「それこそ全身の血でも抜けば別だけど」

麺を茹でながらも目線はチラッとこちらを向いていて。

「明日。明日で生まれ変わるんだよ?菜美」

「うん…」