あの頃の私達はまだ幼すぎた

話し始めてどのくらい経っただろう。

壁時計の針の音が凄く耳に残った。

私は最初に親の事を話した。

時に優が言葉を足してくれながらゆっくりでもしっかりと話した。

信吾さんや山ちゃん。楓先生や奏のことも。

私の性格や病気のことも。

そしてあの魔の1ヶ月のことも話した。

それは優も驚きながら聞いてくれた。

「って…いうわけであたしは今ここにいます」

ふぅと息をつき氷が溶けて薄くなったミルクティーを飲む。

「俺があの時引き留めてたらそんな傷跡つけないですんだのにな…」

「優のせいじゃないよ。そうなることも覚悟の上で言ったんだもん」

「奄上…」

「何で?」

後ろから聞こえた声にビクッとした。

「何で言ってくれなかったの」

「佳織…」

「そんな頼りなかった?それとも信用されてなかった?」

「違うよ」

「…何で気づけなかったんだろうあたしも…」

子供のように泣き出す彼女。

「嫌われたくなかったの。そばにいてほしかった」

「そんな事でこのあたしが離れると思う!?」

「ううん。思わない」

泣きじゃくる佳織にティッシュを渡して頭を撫でる。

「佳織は佳織だもんね。変な心配して損しちゃった」

テヘッと舌を出せば笑う彼女。

「ありがとう佳織」