鍵を開けて中にいれる。

「どうぞ~まだ何もないんだけどね」

「すごっ!」

長い廊下の間にはバストイレがあってそれを通り過ぎるとリビング。

「なんか広すぎて落ち着かないんだけどね」

対面キッチンに買ってきたお菓子やジュースを置く。

「おーうえ…ここ誰が払ってるの」

さすがに気づかれるか。

「…先生兼命の恩人」

「先生?」

~♪♪~♪~

「あ、ごめん。ジュース置いとくから飲んでて!!」

鞄を部屋に放り投げ通話ボタンを押す。

「もしもし」

『おれ 』

「終わった?」

『うん』

「じゃあ学校の通りを真っ直ぐ行くと小さいショッピングモールあるじゃん?そこまでとりあえず向かって」

『りょーかい。橘もういるの?』

橘とは佳織の名字。

「佳織?うん。もう一緒だよ」

『そっか…何か買ってくもんある?』

「ない。飲み物とかお菓子はもう買ってきたから」

『お菓子パーティーやりますみたいな言い方だな』

クスクスと笑う優。

多分話しながら自転車こいでるんだろう車とすれ違う音が聞こえる。

「そろそろショッピングモールみえてきた?」

『おう。』

「ならそこからさ高層マンションみえない?」

『……あ、あった』

「そこ」

『は。まじで?俺の家とそっくり』

「うん。作りは同じだと思うよ」

『パネルある?』

「部屋番いれるやつでしょ?あるある。それにプラスして指紋センサーもある」

『やばいなセキュリティー』

「部屋番702だから」

『わかった』

ツー…ツー…。