「おーうえ!行こう!!」

「うん!」

放課後になるのは早く。

少し緊張しながら鞄を手に持ち歩く。

優は着替えてから来ると言うのでその時に連絡もらうようにした。

極度の方向音痴でバスとかにも乗れないから心配だけど。

「じゃーな奄上佳織のことよろしく」

「部活頑張ってーー!秋!!」

「うん。秋も終わったら連絡して?」

「も?」

「ううん。なんでもない!」

優が来ること話してないんだった。

「佳織タクシーで行くから」

念には念を。とタクシーで行き帰りするよう命じられたから学校前にタクシーを呼んでおいた

「わーい楽ちんだね」

小さく飛び跳ねる佳織をみてクスッと笑う。

冷蔵庫になんか入ってたけ?

「佳織コンビニ寄ってこう。引っ越したばかりだから何もない」

「お菓子♪お菓子♪」

「残念。夕飯の足しにする」

「えー」

「…秋の分も買ってあげるんだよ。」

「はぁーい!」

「すみません、近くのコンビニからお願いします」



「すごーー!オートセキュリティーじゃん!!!」

「昨日引っ越してきたばっかりだけどね」

「え?」

部屋番号を打ち込み手のひらをかざす。

「指紋センサー?」

「そ。登録者しか入れない」

静かに開いた自動ドアを潜り抜けエントランスホールへ。

「おーうえ…ここいくら?」

「月13万」

ピッと7階のボタンを押して上の階へ。