あの頃の私達はまだ幼すぎた

あの後。

昼食にお粥を食べるというちょっと変わった光景を皆に見られながらなんとか完食。

「優」

余った時間で彼と話そうと思い話しかける。

「ん?」

PSPの画面から目線を変え私を見つめる黒い瞳

「さよなら撤回してもいい?」 

軟禁されたあの日。私は彼に別れを告げた

でも母の事はやっと明日で解決すると思うと彼に迷惑かけることは減るんじゃないかと思いこんなわがままなお願いをしている。

「やだ」

速攻で返された返事に少しへこむ。

当たり前か。あんだけ振り回しといて。

「まず俺認めた記憶ないし」

「は?」

「だからお前が勝手に離れるって言っただけで俺はそんな事認めた覚えはない」

キョトン…。

少しまばたきをして頬を引っ張る。

夢じゃない。

「俺はお前のずっとそばにいるって約束した」

「それにずっと一緒にいたのにいきなりさよならって言われてもだろ」

笑った顔が。

私の心を暖めた。

「…全部話す」

「…?」

「今日。佳織と秋に全部話すつもり」

そう言うと強張った顔になった。

前に他の人に相談すると言ったとき。

“もしかしたら皆が皆理解してくれなくて離れてく奴もでてくるかもしれないぞ”

そう言われた事があった。

でももう隠せない。

「これ」

シャツをグイッと肩まで下ろせば見えた傷。

「さっきね佳織に見られちゃったの」

学校について早々久しぶりに動いたからもあり暑さでシャツをパタパタさせてた時に見えたんだろう。

首筋から近いから目立つちゃ目立つ。

「それ…!!」

立ち上がりそうになった優を押さえつけて座らせる。

「この1ヶ月のことも計画も家のことも全部話す…だから」

「行く」

「…うん」

彼は自分のグループに行き用事を断っていた。

嫌われるか。一緒にいてくれるか。

賭けに近いけど。

「優がいれば…大丈夫」

窓の向こう。

開け放した窓から数枚の桜の花びらが教室に入ってきた。

ヒラヒラと床に落ちたピンクの花びらを拾い上げ見つめてた。

~桜の季節~END