あの頃の私達はまだ幼すぎた

「奄上…」

握りしめたネックレス。

「奄上」

周りの雑音が余計に不安を仰ぐ。

「菜美!」

「あ…」

優しくでも力強い声。

離れかけてた意識が少し戻ってきた。

「大丈夫だから…落ち着け。ここにはみんないる」

私の机に腕を乗せ向かい合う優。

「お前は1人じゃないし何も悪くない」

「優…」

「俺はお前のそばにいるから。ずっと」

薬じゃなくても。

おかしいくらい私の鼓動を落ち着かせた。

「菜美ーーちょっと」

廊下から呼ばれる時には落ちついてた。

「…大丈夫…大丈夫…」

握りしめてたネックレスはもう手から離れ首もとにぶら下がってる。

ゆっくりと席を立ち歩いてく。

不思議と怖くはなかった。

「菜美…お前の親から電話来た」

「そっか」

「それでね…捜索届けだすって言ってるんだけど」

「……大丈夫。」

「え?」

「…私から警察に行くよ」

「でもそれだとお前児童相談所とかに保護されるかもしれないんだぞ?」

「それでも。これ以上迷惑はかけられないし」

「それに」

扉の窓から見える。

人の机に伏せながら音楽聴いてる彼。

「あたしには…優がいるから」

「それに先生達もいるしね」

ファイティーポーズをすると安心したかのような顔。

「…なら心配ないね」

「おぉ。それじゃあ今日行くか?」

「あ、今日はダメ。明日にしよ」

「なんか予定でも?」

「うん!佳織と秋が来るの!」