あの頃の私達はまだ幼すぎた

少しグチャグチャになったソレを。

握りしめるように胸に抱く。

「…河心か」

「残念だけど今日あの子は休みだよ」

「知ってる。毎年誕生日は休んでるから」

だから。

「いつも下駄箱にいれとくの」

直接渡すのは恥ずかしいし。

お土産とかなら別だけど誕生日プレゼントとなればまた周りに誤解され冷やかされるから。

「それなら菜美だってわかんなくない?」

「かもね。でも不思議と毎年優は気づいてくれるの」

ストラップと腕時計。

この2年で彼にあげたプレゼントは。

ちゃんと持っててくれるし身につけてくれてる

‘これ俺のお気に入り’

とか言いながら見せてきた時。

全部わかってるんだなと思った。

私以上に私の事を。

彼以上に彼の事を。

私達はわかってきたつもり。