あの頃の私達はまだ幼すぎた

「菜美!!」

学校に着くなり信吾さんと山ちゃんが外で待っててくれた。

まぁタクシーの中で連絡したからね。

「お前…薬は!? 怪我は!?」

揺さぶられバランスを崩す。

「ちょっと山!!なにしてんの!」

慌てて起きあがらせてくれる信吾さん。

「菜美…まさかと思うけどさ」

あ、気づかれた。

「2階から飛び降りてきたとか言わないよね……?」

確信を得たような言い方。

「あは…は…それしか方法なくて…」

苦笑いで返せば。

「山。病院。打撲してると思われ」

「で、でもちゃんと物置の屋根に落ちたからそんな怪我してないし動くし…」

「まともにご飯食べてない身体に衝撃与えたら崩れる可能性もあるんだよ」

「お前…はしごぐらい用意したのに」

「ごめん…でも」

鞄の中からラッピングされた袋を出す。

「今日誕生日なんだ…アイツの」