あの頃の私達はまだ幼すぎた

少しずつ揺らいでく視界。

泣くな。

泣くな泣くな泣くな。

笑え。

「な…お前なんで…」

無意識に噛み締めた唇をゆっくり開く。

「3年間…そばにいてくれてありがとう。」

顔をあげた私は。

きっと笑えてた。

頬を伝って流れた涙と共に。

「奄上…?どうした?まだ1年残ってるのに」

「だからだよ」
 
2年間彼を振り回しずっと一緒にいた。

だからもうそろそろ。

‘依存を治すためにも…いい加減河心くん自由にしてあげな’

楓さんに言われた言葉。

卒業したら。もう一緒にはいられない。

彼にも大切な人がいるんだ。

だから。