あの頃の私達はまだ幼すぎた

「心…ねぇ…」

「そう。そして。彼女は恋をする」

「自分の心の傷を癒やしてくれた王子様にか」

「どっちかと王子様じゃなくてお兄ちゃんとかだよね」

「だって向こうには菜美に対する愛なんてないんだから」

「は?」

「可哀想…。少しでもコイツの力になれるならって思って優しくしてるだけ」

「それに菜美自身わかってるはずだよ」

話を振られ頷く。

「あの人がいる限りあたしは幸せになれない」

「ちゃんと自覚してるよ信吾さん」

微笑めば優しく笑ってくれる信吾さん。

「それに王子様はずっとこの先も一緒にいてくれるわけではない」

「河心くんにも将来はある。だから一緒にいられるのは今だけ」

「それをわかってて優しくしてるんだから…これだから偽善者は嫌いなんだよ」

「おい信吾!それは言い過ぎ…」

「いいんだ」

「菜美…」

「優の幸せがあたしの幸せだから」

少し言い方が強い信吾さんは。

本気で心配してくれてるんだ。

「あと1年…あたしは優のそばにいたいだけ」

「もう…それ以上は望まないよ」

私の恋が終わったのは。

私が彼に恋をして1年6カ月記念日の。

12月22日のお昼ちょっと前でした。