あの頃の私達はまだ幼すぎた

下駄箱で置き勉してある教科書の奥から靴を取り出し履き替え外にでた。

今日は帰ったらすぐに寝よう。

そう思いながら歩いた桜並木の下。

不意に誰かと目があった。

交差点で信号待ちをしている。

「あ…」

優と。

クルッとその信号を避けるようにして左に曲がる。

いや信号を避けるのではなく優を避けたのだけど。

耳元で流れるアップテンポの曲で

高鳴る鼓動に気付かないフリをした。

これは恋?それとも不安感?

とりあえず今言えることは。

あの目は嫌いだ。

何もかもが見透かされてるような

あの目が怖い。