あの頃の私達はまだ幼すぎた

ポケットから携帯を取り出すと電話で。

「はーいー」

「菜美~!俺俺♪」

「…オレオレ詐欺はお断りしてますけど」

「ゴメンナサイ。奏です」

「もうなしたの」

「いや本当に行っちゃうのかなと」

「子供か。昨日もそう言って朝まで帰してくれなかったよね。おかげで寝不足通り越してテンションハイだから」

「うぅ…」

電話越しに奏の捨てられた子犬みたいな表情が目に浮かぶ。

「…帰り迎えにきて」

「え、いいの!?」

「荷物持ちさせる」

「なんでもよろこんで♪」

~国内行き~の~

「あ、ごめん。もう行かないと」

「気をつけてな。飛行機の中で寝ろよ」

「お前が言うかそれ」

「なんかあったらすぐ連絡しろよ?」

「なんもないから!じゃあね」

液晶画面をタッチすれば横から視線を感じた。

「…なに?」

「お前寝てないの」

「あぁ…集合時間の2時間前に家帰ってシャワー浴びて化粧したから」

「……俺の隣座る?」

「は?いやいいよ」

「いいからちょっと頼んでくる」

「え?ちょ…優!?」