6月。
うちの学校の野球部は県大会まであがれたものの1回戦で敗北。

監督であるうちの担任は。来年こそは私達を甲子園にと嘆いている。

奏とは学校祭終わってから会ってきちんと謝った。

レイって名前は源氏名で本当の名前は別だということと。

優のことも。

そしたら珍しく優しく微笑みながら抱きしめてくれた。

ただ。家のことだけは伏せた。

「おーうえあーつーいー」

「仕方ないしょ夏だもん」

「でもしんどいー!」

「はいはい。あとでアイス食べにいこうね」

やったー!と笑いながらたこ焼きをひっくり返してく佳織をみながら少しほくそ笑む。

「奄上これここでいい?」

「あ、お疲れ!ありがとね」

1週間前。ようやく母から取り上げられた携帯を返してもらった。

溜まってたメッセージに1つ1つ謝罪の言葉をつけながら返事をしていき。

「優…」

母の乱入により口を聞かなくなってから始まり色んな言葉が書いてあった。

‘大丈夫か?’や‘ごめんな’とか。

‘今日学校来ないのか’とか‘体調悪いのか’

心配かけてたんだなと思ったのと同時に。

優はずっと気にかけてくれたんだと嬉しく思った。

“久しぶり。携帯あの日からずっと取り上げられてたんだ。心配かけてごめんね。”

返事が返ってくるなんて思ってない。

今更調子良いこと言ってるのも。

それでも。

ピコン♪

“そうだったんか。言ってくれれば良かったのに”

彼はいつも通り。優しかった。