「電話、でろよ。」
拓人は苦笑いをした。
暗いから顔はよくみえないけど…。
「ごめん。」
私は謝りながらゆっくり拓人の隣に座った。
「話し声とか丸聞こえだから。」
…だよね。お母さんの声相当でかかったし。
「そういえば、なんでここにいんの?」
「謝ろうかなーって。
美耶を呼び出したの俺だし。責任感じるの嫌だし。」
電話で大丈夫って言ったのに。
私が勉強しなかったことに怒ってるだけで、外出したことには怒ってないし。
「責任なんて感じなくていいから。
話聞いたでしょ?私ん家の問題だから。」
少し突き放すように言った。
可愛くない言い方。自分でもそう思った。
でもこれが私だから。恋愛とか、そういうのにとらわれたくはない。
家族ではないもう一つの居場所。友達みたいな、そんな感じ。
「そうか、首突っ込まない方がいいな。」
そう、それでいいの。
「じゃっ!」
拓人は立ち上がってゆっくりと歩き出した。
その時だった。
ドアがガチャって音をたてて開いた。
その勢いよく開いたドアが、私の背中に直撃した。
「いった!!!!」
思わずでかい声を出してしまった。
だれだよ…。
見上げると、血相を変えて怒っているお母さん。
拓人は私達の方を見た。
そしてまた、私の方へ歩み寄ってきた。


