冷めてる彼氏✕冷めてる彼女




それからずっと買ったものを食いながら駐輪場でトーク中…。



「そうひえば美耶は部活入っへんの?」


お互い食べながら話してるから少し聞き取りづらい。


「入っへない。橘拓人は?」


「おれはサッハー。っへかそのフルネームやは。拓人っへ呼べ!」


サッハーか。そっか。

フルネームやだって言われてもな~

「呼べ」ってなぜか命令系だし。ちょっとイラッときたし。


「じゃあ……。お願いします、天下の美耶様。って言ったら呼んであげなくもない。」


「はぁ?」とか言いながら咳払いをした。


「拓人って呼んで下さい。お願いします
美耶様。」


軽く頭を下げた。

そんなんじゃ甘いな。


「ちょっとお辞儀が浅いんじゃないかな〜。ま、別に呼んで欲しくないならいいけどさ~。」


私がそう言うと、橘拓人はもう一度わざとらしく咳払いをした。


「拓人って呼んで下さい!!!神様仏様美耶様!!!お願いします!!!」


今度は腰を90度に曲げた。

うむ。よろしい。


「いいだろう。拓人、苦しゅうないぞ。顔をあげなさい。」



私は昔のお偉いさんの真似をして、財布をセンスのようにしてカッコ良くビシッと拓人を指した。



「おぅ。さんきゅっ!フルネームとか付き合ってんのにおかしいだろ。」



拓人は苦笑した。


「え、私達って付き合ってるんだっけ?」


拓人をいじるのが楽しくて、ついついそんなことを言ってしまう。


「はいはい。もう風邪ひくから家帰るか。あ、でもバカは風邪ひかないんだっけ?」


形勢逆転。拓人のくせに私を侮辱してきた。



「そうだね、風邪ひかないとか羨ましいな。私、しょっちゅう風邪気味で…ゴホッゴホッ」


ふっどうだ!

反撃してやったぜ!!!

私はドヤ顔を拓人に向けた。


「美耶と言い合いするとキリがねぇな。」

「それな。」



でもそんな言い合いを意外と楽しいと思ってしまう私は、初めての感情に少し戸惑っていた。


拓人には絶対言ってやんないけど。