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「別れてほしいんだ」






誰?



「…どうして?」



これは





「どうして別れないといけないの?陽人」



田嶋先生と黒田花音





どうやら別れ話をしているらしい

でも、なんで?




「お、修羅場だな」


「なんで、いつも突然出てくるんですか」




そこには田嶋先生がいた

ん?田嶋先生はここにもいるんだから、この人は田嶋先生に雰した死に神か




「これ、いつの話ですか?」


「あんずが殺される五日前だ」





五日前って…


「そうだ。あんずが田嶋陽人に告白した二日後だ」





でも、そのタイミングで別れ話なんて

私のせい?





「ほら。まだ続いてるぞ」





「陽人?なんで?

私に何か不満があるなら直すから…


別れるなんて言わないでよ…」





黒田花音は今にも泣きそうな顔をして懇願している

田嶋先生はそんな黒田花音を見ないように顔を逸らしている





「ごめん

好きな人ができたんだ


花音以上に」






田嶋先生…

それって期待していいんですか?




「その好きな人って誰なの?

それだけ教えてくれたらちゃんと別れるから


それだけ教えて?」



黒田花音は困ったように綺麗に笑った




綺麗だと素直に思った




「……

牧田あんずっていう子なんだ」




「それは学校の生徒さん?」


「そうだよ

前から気になっていて、牧田から告白してきてくれたんだ。


花音には悪いと思ってる

でも、花音との思い出はいいことばかりで楽しかった

ありがとな」





そんな…


田嶋先生、私たち両想いだったんですか?

いいえ、今も両想いなんだと信じてもいいですか?