「さ、願い事はあと2つだ

あんずは何を願う?」




特にないなあ


「特にない場合はどうしたらいいんですか?」



「黒田花音を痛い目に合わせることもできるぞ」



「別にその人のことをどうしようとかは思いません

自分の罪に気付いて自首するのを待ちます」



「あんずって、変わってるよな

今までのやつとは違うよな」





逆に今までの人はどんな人だったんだろうか



「まあ、特にないなら寿命を伸ばさせたい人の寿命を伸ばすことができるけど」



「え?それどういう意味ですか?」



「願いごと1つで10年分の寿命になるんだ

どうする?」





どうするって…


「お母さんの寿命を伸ばしてほしい

昔から心臓が弱いから」




「了解」



そして、また指をパチンッと鳴らした






「見た目には分からないけど、あんずの母親の寿命は伸びた

あと1つは誰の寿命を伸ばすんだ?」




「最後の願いは自分に使っていい?」


「あ?願い?

何か願うのか?」





やっぱり、死ぬのは怖いんだ

いや、もう死んでるんだけど



向こうに逝くのにはやっぱり不安




「田嶋先生、最期まで一緒にいてください…」


「なんだ、そんなことか

了解」




そして、指を鳴らした