「あんまり気乗りしてない様子だったけど、安心したよ」
カヌー体験を終えて、課長は安心したように私を見て微笑んだ。
「自然って良いですね」
「だろ?」
お互いも気づかないうちに、いつの間にか手を繋いで歩いていた。
「せっかく来たんだから、こっちの名物でも食べてくか?」
「はい!」
「本当に、食べるのが好きな奴だな」くすくす笑われて、少し恥ずかしい。
「でも、毎日の生活の中で楽しみにできることって食じゃないですか?
お気に入りの服だって、休みの日にしか着れないし
仕事上、ネイルだって楽しめないし」
私の話を頷きながら聞いてる課長が不意に「やっぱ、果穂も女だな」と笑った。
女?
私を今、女として意識してくれたんですか…?
不意の笑顔に、鼓動が高鳴る。


