誘惑したくなる上司の条件



そして、迎えた当日。

緊張で心臓が震えている。


足取りがいつもより早くなる。


もう少しで取引先の会社が見えてくる頃だろう。

呼吸を整えるために立ち止まった瞬間


後ろから風のように走ってきた自転車。

瞬間

大事な資料をいれていたバッグをひったくられる。

「あっ‼」

慌てて自転車に手を伸ばし、乗っていた人物の上着のフードを捕まえると、

白いパーカーに、サングラスをかけていたその犯人に突き飛ばされ

青い空が視界に入ったのと同時に

ゴンッッッ!!!

という鈍い音と激しい痛みが頭を突き抜ける。

遠くから聞こえる悲鳴を最後に、意識は飛んでいた。