『いないな…
こんな外見のヤツ、すぐに見つけられると思ったのに…』


鈴本くんと一時間くらい捜しているけど
全く、それらしい人は見つからなかった


『少し休むか』

「そうだね…」


僕と鈴本くんは近くにあったベンチに座り、僕たちの前を歩いて行く人たちを観察していた


『なあ、羽柴くん』

「え、なに?」


鈴本くんは、僕の顔を見ずに前だけを向いて僕に話しかけてきた


『君さぁ…
彼女のこと愛してる?』

「えっ…?」


いきなり鈴本くんは変な質問をしてきて
僕は驚いた


彼女のことを愛してる?
どういう意味…?


『いや、愛してんだよな
さっきも俺の話に食いついてきたし
何より、このゲームに参加してんだから』

「………うん、愛してるよ…
こんなゲームがなければ、今頃僕は
芽依ちゃんとデートしてたよ…」


芽依ちゃんに喜んでもらおうと
プレゼントまで用意してたのに……


『じゃあさ…
浮気なんてしないよね?』

「えっ…!?し、しないよ!
ぼ、僕…浮気するほどモテないし…!」


芽依ちゃんがいるのに…
う、浮気なんてするはずがない

それに僕はモテないから…
したいとは思わないけど、出来ないよ


『なんか彼女出来るとさ
浮気とかしたくならねぇ?

男なら一度くらいはしたいと思わない?』

「だから、思わないって…
芽依ちゃんだけだから!」


なにが言いたいんだろ…
僕って浮気するような人に見えるのかな…?


『変わってるね〜
男ならしたいと思うのが普通だよ?』

「そ、そうなの?」


僕は思ったことないけど…
そういうものなの…?


『ああ、そっか…!
羽柴くん、女にモテないけど
男にモテるから俺らと感覚が違うのか!』

「も、モテないよ!
そうか!みたいな顔しないでよっ!」


女の人と間違われて痴漢はされたことあるけど、男の人から告られたことはないよ!


『そうなんだ?
なんか男にモテそうな感じしてたから』

「ないない」


もうこの話止めたい…