「スピードで迫って 身体揺らして……。」
「ストップ!テンポずれてるよ、遥。」
「あ、ごめん……。」

冷や汗が止まらない。
動揺を圭吾に悟られたくないと思うほど焦る。
いつか、幻滅されそうで怖い。
本命じゃないくせに、欲張りだけど。

「なしたの?」
「今日ちょっと体調悪いみたい……。」

眼を合わせずに頬をカーディガンの裾で押す。
涙は、まだ出しちゃいけない。
そんな悲しい事じゃないじゃないか。
そのほうが、迷惑をかける。

「大丈夫か?俺んち行くか。」
「え、圭吾のうち?」
「嫌だ……?」

潤んだ瞳で見られて、黙ってしまう。

「別に、平気。」
「じゃあ、ギター今日は置いていこうぜ。」
「……うん。」

少し胸騒ぎがしたのは、何でだろう。
フルフルと、せわしなく。
どくどくと、恐ろしさを増して。