教会に夜が訪れる。

亮二はまだこの教会に潜伏していた。

早々に行動を開始するのは得策ではない。

体力の回復を待ち、警察の捜索が一旦終了する明日の夜にここを出立する。

「ずっとここにおられればいいではないですか、雪村さん。町の人々にも貴方を紹介したい。皆さん歓迎してくれますよ」

「……」

白々しい牧師の言葉を、亮二は無視した。

誰が暗殺者など歓迎するものか。

それに組織は、飼っている暗殺者が殺しをやめて平穏な暮らしをする事など許しはしない。

人殺しは死ぬまで人殺し。

そう考えているだろうから。