Assassins

それに。

茂みを掻き分けながら山林を進む。

面が割れた事で、表の居場所だったBarムーンライトが使えなくなったものの、亮二には別のアジトがあった。

亮二の所属している組織は、こういった時の為に幾つかのアジトを準備している。

アジトだけではない。

幾つかの戸籍、幾つかの身分。

個人を証明するあらゆる方法を、組織は複数所持していた。

例えば雪村 亮二という個人が犯罪者として名前を晒され、この国に存在できなくなったとしても、その個人を死亡した事にして別の個人を名乗れば、彼は生きていける。

名前だけではない。

顔も指紋も声紋も。

手術を施して他人に成り済ませる。

組織にはそこまでの力があった。