Assassins

海面に顔を出し、思い切り空気を吸い込む。

空気がこんなに美味いと思ったのは初めての事かもしれない。

咳込みながら、十分に呼吸を繰り返す。

…結果に見るほど盤石な仕事ぶりではなかった。

流石は元SEAL隊員といった所か。

水中での戦闘という点においては、亮二を凌駕していた。

だが、亮二は既に『死人』の境地に達している。

暗殺という稼業に身を置いているのだ。

自身がいつ殺されてもおかしくないという覚悟は出来ている。

相手を殺す以上、自分も殺されて当然という境地。

言うほど簡単な心構えではないが、それが亮二には出来ていた。

だから殺されそうになってもパニックを起こさない。

殺されたとしても、『死ぬまでに相手を殺せればそれでいい』。