だが。

その復讐を達成する為に、排除すべき障害がある。

船橋内の暗がりに立っている二人の男。

顔は見えない。

「百八星…小野寺と一緒にいるという事は、首魁か」

「御名答」

小野寺は言った。

「貴様には驚かされる。東アジア最大と言われる秘密結社・百八星の暗殺者達の悉くを殺害するとは。驚異的な身体能力と、天性の殺しのセンスがなければできない芸当だ」

「……」

亮二は冷ややかな視線で小野寺を見る。

この男のおべんちゃらなど聞く気はない。

「しかし、だ」

小野寺は続けた。

「その驚異的な身体能力と天性の殺しのセンスを、『彼ら』も持っていたとしたらどうする…?」