右フック!

バックハンドブローから後ろ回し蹴り、更に回し蹴り、ローリングソバット、着地を待たずして飛び回し蹴り!

回転する独楽のような連続攻撃に、亮二は床へと叩き伏せられる。

そこへ更に。

「きゃはっ♪」

ブーツでの踵落とし!

背中に踵が食い込み、亮二は思わず小さく呻いた。

「ごめんねぇ、お兄さん。いい男なのに台無しになっちゃうねぇ」

梨田 奈美は愛らしく微笑みながら、這い蹲った亮二に言った。

海風で乱れる金髪のロングヘアを撫でつけながら。

「でもね、奈美もこれがお仕事なの。お兄さんも同じ暗殺者ならわかるでしょ?別に恨みなんてないんだけどぉ…」

奈美は亮二の背中を、尖ったヒールで踏み付けようとする!

「殺すのが役目なのっ!」