直後走る、鋭い痛み!

床に血の滴が零れ落ちた。

隠密装束に大きな染みを作るほどの出血。

だが致命傷ではない。

「あらぁ?二回もしくじっちゃったわ。何か…」

前髪に隠れる瞳。

その瞳に、殺意の光が宿る。

「苛々してくるんだけど…」

またも予備動作はなかった。

横薙ぎ、刺突、刺突、斬り上げ!

そのどれもが、伊庭の肌を掠めていく。

滴る流血。

「ああっ、苛々する!苛々するっ!」

苛立ちを露わにしながら、景子は刀を振るった。

狂気と苛立ちに満ちた、人斬り刀の乱舞!

それを。

「っ!」

伊庭は受け太刀で崩して流れを止める!