弾けるように千里は間合いを詰め、松岡を左右のトンファーで滅多打ちにする!

元々女の細腕にしては剛力な千里であったが、この打撃力は異常過ぎる。

確実に松岡の体は、何ヶ所か骨に罅が入っていた。

鍛え直したとか、そういうレベルの筋力ではない。

「ドーピングか…しかも相当な劇薬を使いやがったな」

となると、人間離れした打撃をいつまでも受け止めてはいられない。

受けではなく、回避に移る松岡だが。

「!?」

千里は反射速度さえも、常人を遥かに凌駕していた。

渾身の横薙ぎが、松岡の脇腹に叩き込まれる!

「ぐ…ふっ!」

ミシリと軋む音。

肋骨の骨折が内臓を傷つけ、松岡は吐血した。