東京港、スーパー中枢港湾。

その一角に停泊するフル・コンテナ船。

至近距離で見ると、まるで建造物の様にさえ見える巨大な船だ。

その落下防止用の手摺りに、飛来してきた鋼線が巻き付く。

「ん?」

気付いたのは見張りの為に船の甲板を歩いていた天寿星と天退星の二人。

音もなく飛来した鋼線に逸早く気付く辺り、暗殺者として高い察知能力を持っている。

それ故に彼らが見張り役に立てられたのだろう。

「侵入者か?」

手摺りの下を覗き込む二人。

彼らは。

「!?」

鋼線にぶら下がっていた亮二によって口を塞がれる!

直後、同じく鋼線にぶら下がっていた伊庭が瞬時に甲板に上がって二人の背後を取り、刀で二人の喉を掻っ捌く!

「~~~~~っっっっ!」

口を塞がれて思うように悲鳴さえ上げられないまま、天寿星と天退星は絶命した。