Assassins

そんな忌み嫌われた暗殺者である伊庭が、都合の為とはいえ、こんな施しを受けた事はない。

彼が他人から貰った事があるのは、依頼を果たした時の報酬だけ。

金を払えばさっさとお払い箱にされたし、依頼が済めば汚らしいもののように扱われた。

虫けらのように人を殺す伊庭を、誰が理解しようか。

それ故に常に一人。

彼は暗殺者という暗闇の道を、ひたすらに一人で歩み続けてきた。

友などいない。

仲間などいない。

家族もいない。

愛する女もいない。

依頼を完遂した時も、窮地に立たされた時も、敵の手に落ちて苛烈な責め苦を受けている最中も、いつだって彼は一人。

どんな危難も一人で解決してきた。

誰の手助けも借りた事はなかった。