「で…女は?」

亮二が問い掛ける。

「失神してらぁ。呂律も回ってねぇし目の焦点も合ってねぇ。半日やそこらは、まともに話も出来ねぇほど責めてやったからな。その代わり」

松岡はドッカと木箱の上に腰を下ろす。

「聞き出したい事は洗い浚い吐かせてやったぜ。喘ぎ声と一緒にな」

…まず、肝心の小野寺の居場所だが、彼は東京港のスーパー中枢港湾に入っている東南アジアからのフル・コンテナ船(コンテナのみ専門に積む貨物船)に潜伏しているという。

海運業界の主流となっている40フィート(12メートル)コンテナを4000個積載できる大きさの船だ。

「コンテナ船に隠れていたとはな…」

亮二が呟く。