音を立てて、大木が倒れる。

舞い散る木の葉。

驚いた小動物達が、一目散に逃げていく。

そんな中を、二つの人影が飛び交う。

アイスピックと忍刀。

凶器が切り結び、交錯する度に火花を散らした。

その動きは、常人の動体視力では追う事さえ難しい。

亮二と伊庭、超一流の暗殺者同士の殺し合い。

彼らが通り過ぎた後には、幾つもの倒木が残っていた。

木の幹や枝を蹴って高速で移動する亮二。

それを狙って、伊庭の投擲した手裏剣が飛来する!

命中する事はなく、全て木に突き刺さるだけだが、それでも紙一重。

亮二の頬や衣服には、幾つも手裏剣の掠めた痕が残っていた。