「夢追子さんと言ったか…君は必ず自分達が守る。雪村 亮二が自分達に君を託したんだ。君を殺人者としての人生にこれ以上巻き込まないように…連れて行かなかった事、それが奴の出来る一番の優しさだったに違いない」

「…亮ちゃん…」

顔を伏せ、夢追子はボロボロと涙を零す。

「夢追子さん、雪村 亮二は自分達が逮捕する。奴は生かして自分達が捕まえる。そうすれば君ともまた会える。塀の向こう側とはいえ、君も奴も生きていられる。それが残された唯一の幸せだ」

夢追子の肩を叩く倉本。

「…はい…」

鼻を啜り、しゃくり上げながら。

「よろしく…お願いします…」

夢追子は告げる。