Assassins

計算が狂ったようでいて、実は亮二の先手を読んでいた。

伊庭という暗殺者は、何処までも抜け目ない。

水中で亮二を羽交い絞めにし、どんどん引き摺り込む。

この体勢では、亮二はアイスピックを使うどころか、取り出す事すらできない。

伊庭は自らの手で亮二にトドメを刺す気はなかった。

このまま羽交い絞めで水中に引き摺り込み、亮二が窒息死するまで根気よく待つ。

自らが共に窒息死しても、亮二を羽交い絞めのまま逃がさなければそれでいい。

隠密の修行で常人離れした呼吸停止法は体得していたし、この男を仕留められるなら、命と引き換えにしても本望。

暗殺者として、そこまでする価値が雪村 亮二にはある。

暗殺を完遂できるならば命など要らぬ。

伊庭にはそこまでの覚悟があった。