走る。

山中をひた走る。

(くそっ…)

スピードを緩める事なく走りながら、亮二は内心舌打ちした。

次から次へと仕掛けてくる刺客達。

亮二を必ず抹殺するという確固たる意志がひしひしと伝わってくる。

いや、これは意志などという小奇麗なものではない。

殺意。

明確なる殺意。

刺して、刻んで、殴打して、苦しみ、もがき、悶え、痛みに喘ぐ姿をしっかりと確認し、痙攣し、流血し、確実に心臓が停止して瞳孔が開くのを確かめる。

その為に連中は亮二を執拗なまでに追いかけてくるのだ。