山中をひた走る亮二。

追っ手の危険がある以上、いつまでも一ヶ所に留まってはいられない。

休息もそこそこに、常に移動し続ける必要があった。

人の多い場所も避けた方がいい。

他者を巻き込む事など亮二は何とも思わないが、人通りの多い場所は敵の特定が難しくなる。

また逆に他者を盾にされてこちらの攻撃が命中し辛くなるという難点もある。

何かに紛れるというのは、暗殺の定石だ。

逆に紛れ込めない場所は暗殺に不向き。

それ故に亮二は山中から抜け出す事はしなかった。