優しく言ってるんだろう。
でも私、いや私達にはすごく怖かった。
署って…警察署?
なんで行かなきゃならないの。
嫌だ。
「…いや、です。」
私はつい、言ってしまった。
「なら、話だけでもいいかな?」
「…捕まらないなら。」
警察さんは、目をパチクリさせ、
「ははっ!まさか、捕まらないよ!
話を聞くだけだよ。」
大袈裟に笑うのでさっきまでの張り詰めた緊張感が急に解けた。
え、話だけ?
私、すごい勘違いしちゃったみたい…。
そう思うと急に恥ずかしくなり、口元が緩んだ。
「ははは…」
と、苦い笑いも出た。
「どこで話そうか?ここじゃあなんだしな」
確かに…外じゃ。って、
え、ていうかそもそも…
なんの話をするんだろ?
「なら、私の家にしなさいよ。」
この低い声…。
聞き覚えがあった。
あ、さっきからずっと睨んできてた頑固者のおばあさんだ。
「いや、そういう訳には…」と、警察さんは苦笑い。
「なによ、汚いとか言うんじゃないでしょね?
私の許可があるのよ、別に不法侵入なんかなったりしないわ。」
…そういう問題じゃないと思う。うん。
「ならいいですね、お借りします。」
と、にこやかに警察さんは言った。
はい!?
いやいやいや、庶民の家で違う事情調書って普通ダメでしょ。
「ったく、仕方ないわね。早く入りなさい。」
えぇ!
というかですね、あなたが入れさせたんでしょ。
仕方ないわけではない、
「お邪魔しまーす♪」
と、ルンルン入っていく警察官の後に続き私達も入る。
なんかすごい警察官さん。
「ここにしなさいよ。あーあと、静かにしてよね。」
と、言われ案内されたのは和室で真ん中に昔ながらのちゃぶ台だけという殺風景な和室だった。
座布団が敷かれてあるけど…布がシワシワである一部は亀裂している。
それに、中の棉のようなものが出ている
そこに座るわけにもいかず、軽く後ろにどかして座った。


