すると先生は、
「それより俺は、便所に行きたかっただけだ。
ほれ、仲良く遊んでいろ」
そう言って睦月君を私に預けてきた。
「あ、すみません」
睦月君を受け取ると
先生は、さっさとトイレに向かって行ってしまった。
えっと……これからどうしよう。
「えっと…お姉ちゃんと遊ぼうか?」
そう言うとコクリと頷いてくれた。
しばらくの間、睦月君と積み木遊びをして過ごした。
さっきの重い気持ちと違う。
スッキリとまでは、いかなくても
それは、きっと睦月君のお陰だろう。
そもそも既婚者である人を好きになったらダメよね。
いくら亡くなっていたって…同じ。
そう思っていたら先生がリビングに入ってきた。
「あ、お疲れ様です。先生…」
「あぁ、睦月の面倒見させて悪かったな。
今から飯にするから」
先生は、そう言うとキッチンに向かっていく。
これから
夕食の支度を始めるらしい。
すると睦月君は、慌てて遊んでいた
積み木を片付け始めた。
きちんと片付けられるなんて偉い子よね。
でも、何でそんなに慌てているの?
意味が分からずに片付けている所を見ていると
片付け終わった睦月君は、リビングから出て行った。
「睦月君?どうしたの?」
私は、慌てて跡を追いかけると
洗面所で手を洗っていた。
あぁ、夕食のために手を洗ったのね。
言われる前にやるから凄い。
きちんと先生が教育しているからだろう。
「睦月君偉いわねぇ~言われる前に出来るなんて
お姉ちゃんも一緒に手を洗おうかな?」
そう言い手を洗おうとしたら
洗い終わった睦月君は、
タオルで手を拭くとさっさと行ってしまう。
「えっ!?睦月君…ちょっと待ってよ!?」
手洗いをそこそこに慌てて追いかけた。
一体……どうしたのだろうか?



