「コイツが、俺以外で抱っこを
ねだるなんて珍しいな。
小野木…相当気に入られたようだな?」
そう言って教えてくれた。
えっ…?そうなの?
睦月君が抱っこする人は、珍しいの?
「えっ…河合先輩は、抱っこを
ねだらなかったのですか?」
河合先輩なら優しいから頼めば
いくらでもやってくれそうなのに
「懐いていたが、抱っこまでねだらなかった。
なぁ?」
睦月君に言うとコクリと頷いた。
そうなんだ?
なら、何で私だけ…!?
だが、すぐにあった事を思い出した。
それは、明らかに懐かれるというより
同情に近い。
絶妙に落ち込んでいる時に懐いてくる。
それは、空気を読むのが上手く優しいから
だから、ドジな私に励ましてくれているのだろう。
「きっと、私に
同情してくれているからではないですかね…」
何だか情けなく申し訳ない気持ちになる。
すると先生は、
「同情ねぇ…コイツは
同情だけで抱っこをねだらないぞ」
そう言ってきた。
「えっ…?」
「同情ぐらいなら、励ましてくれるかもしれないが
そばで見ているだけだ。
抱っこは、本当に懐いた奴しかしない」
そうなの…?
睦月君を見るとコクリと頷いてくれた。
だとしたら私は、睦月君に懐いてくれた事になる。
(嬉しい…)
こんな私でも懐いてくれるなんて
呆れられる事は、あったけど嬉しかった。



