インターホンを鳴らし呼び出すと
先生が開けてくれた。

ただし若干嫌そうに…。

「今日は、何だ?
お前の所の原稿なら昨日渡しただろ」

「今日は、次回作の打ち合わせと
先生にお願いがありまして」

「断る」

キッパリと否定される。

えぇっ!?

まだ何も言っていませんけど

「断るって、まだ何も伝えていませんよ!?」

「どーせ。原稿を余分に書けだの取材
目的のどっちかだろーが?」

ギクッ!!

何故分かったの?

編集長に頼まれたのは、
我が社で先日発売する本のサイン会だった。

ちなみに先生は、一度もサイン会をした経歴がない。

「サイン会をやらないかという話なんですが…」

「なおさら断る」

さらにドキッパリと否定された。

ガーン!!

なおさらショックを受ける。