イクメン作家と恋心。初期版。(修正済み&205ページ挿し絵有り)


ガチャッとドアを開けると
こちらをジロッと睨み付けた。

それは、先生に似ていて
雰囲気で分かるぐらいに怒ってるようにも見えた。
そして、そのまま出て行ってしまう。

えぇっ!?

私は、慌ててカバンを持つと追いかけようとする。

「あ、おい。涼花!?」

「すみません。睦月君を追いかけないと
行けませんので…あ、これお金です。
本当にすみません。」

返事が出来ないままお金を置いて出て行く。

睦月君どうしちゃったの?

あの子は、ほとんど表情や感情を出さない。
落ち込む姿なら見た事があるけど…。

カラオケ店の外に出ると
睦月君は、ちょこんと立って待っていた。

しかし表情は、普段と変わらない。

「睦月君…どうしたの?
何か嫌な事でもあった?」

心配そうに尋ねると反応を示さない。

しかし私の所に来ると
ギュッと手を握り引っ張ってくる。

「えっ?睦月君…!?」

慌てて引っ張られるまま歩き出した。

一体どうしたのかしら?

意味が分からなかったけど
向かっている先は、駅のある方向だった。

「もしかして、ホテルに戻りたいの?」

そう尋ねてみると私の方を見て
コクリと頷いてきた。

どうやら帰りたいみたいだった。

その後に電車に乗るが変わった様子はない。
聞き分けもいいし、大人しく座っていてくれた。

なら、さっきのは…一体何だったのかしら?

チラッと睦月君を見る。

あの睨み付けた表情なんか
本当に先生にそっくりだった。

まるで…先生に
ヤキモチを妬いてくれたような気分だ。

うん?まさか…。

睦月君は、私に
ヤキモチを妬いてくれたのだろうか?
いや、まさか…。

でも僕のお嫁さんにしてあげると
言ってくれた子だし…有りえる。