そして編集長の話を無視して
私は、先生の自宅に向かった。

きっと先生宅は、大変な事になっているはずだ。

するとやはり大変な事になっていた。

マンションの外には、
たくさんの報道陣が集まっていた。

何処で住所を知ったのだろうか?

これだと睦月君を幼稚園まで
送って行けないし外にも出れないじゃない。

何かいい方々は…。

キョロキョロと辺りを見渡すとある事を思いついた。

そうだ。これなら……。

私は、慌てて電話した。

しばらくすると私は、ある姿になった。
なったのは、引っ越し屋さん。

梨子は、引っ越しセンターの事務で働いている。

ユニフォームを借りた。
これなら怪しまれずに中に入れるし
先生の分もあるので、これで外に出れば…。

こっそりスマホに電話する。

『はい。小野木か…どうした?』

「今、引っ越しセンターの姿で
マンションのそばに居ます。
私がインターホン越しに出たら
何も言わずに開けて下さい」

『はぁっ?引っ越しセンターだと?』

驚く先生を無視して電話を切った。
強引だけど、これで良し。

このまま私は、帽子を深く被り
報道陣の横を通り抜けインターホンを鳴らした。

心臓がバクバク高鳴る。

ガチャッと出てくれた。

「もしもし。小野木引っ越しセンターの者です』

するとすぐにオートロックをドアを開けてくれた。