「ほら、行くぞ。早く支度しろ」
先生がそう言ってきた。
「は、はい。」
慌ててベッドからおりると
睦月君を連れて病室から出て行く。
先生が車で自宅まで送ってくれた。
先生の車は、高級車で素敵な車だった。
「あの……本当に私が担当に
戻って来てもいいのでしょうか?」
恐る恐る尋ねてみた。
まだ、実感がなく夢を見ているような気分だ。
「あっ?文句あるなら取り消してもいいが?」
「いえ。むしろ嬉しくて…ありがとうございます」
本当にもう外されると思っていたから嬉しい。
「お礼なら、睦月に言え。
ずっとしょんぼりと目で訴えてくるから
うっとうしくて仕方がねぇ。
お前…相当気に入られたな。ったく世話の焼ける」
ブツブツと言いながら運転する先生。
世話が焼けるとか文句を言いながらも
ちゃんと睦月の意見を聞いてあげる
先生は、優しいと思う。
例え仕方がなくだとしても…。
チラッと後ろの席を見る。
チャイルドシートに座っていた
睦月君は、眠っていた。
ありがとう…。
可愛い寝顔を見ていると何だか
気持ちが温かくなった。
フフッ…と自然と笑顔になった。
「おい。アイツの担当を断るなら早く断れよ?
あれは、かなり諦めが悪そうだ。
それに、お前は…2つも出来るほど
器用じゃねぇーだろ?」



