蓮見先生に対して…?
私に対してではなくて?

意味が分からずに首を傾げた。

「上手く言えないけど…なんか気になるんだ。
お前のこと…だから
お前を泣かすアイツが気に入らない」

岩神さんは、そう言ってきた。

それって……。
私の事を好きって……こと?

いや、まさか…でも
頭の中がぐるぐると混乱する。

こんなこと…まともに言われた事がないから

すると岩神さんは、
自分の髪をグシャグシャにする。

「あ~俺こういう気まずい雰囲気が
ダメなんだわ!!
恥ずかしいわ。微妙な空気になるし。
今のなし。忘れていいから」

「えっ…でも…!?」

告白みたいな事を言われていないし
言われても困ってしまう。

いや、有りでも困るけど

「いや、マジで忘れていいから
お前だって困るだろ?
好きでもない男から急に告白なんかされて」

「そ、それは…」

どう返事をしたらいいか戸惑う。

困ると思ったばかりだから…。

「だから無し。俺だって
まだ自覚したばかりで戸惑っているんだ。
焦らせるつもりなんてねぇーよ。
これから、その……俺の事を好きになってくれたら
いいから俺…待つし」

頭をかきながら岩神さんは、
照れくさそうに言ってきた。

「……岩神さん…」

彼の誠実さが伝わってくる。
心臓がトクンッと高鳴りだした。

私の気持ちも配慮してくれる。
なのに…私は、何も応えられない。

中途半端なんだ……自分の気持ちに。
自信が持てないから