「でも、何で私を編集者に?」
面識があると言っても1回会った程度だし…。
「理由は、分からん。
だが、会社のために時間を作って担当してくれ。
報告によると岩神先生のデビュー作は、
発売から凄い話題になり売れているらしい。
これからもっと売れるぞ。
早く確保をしておかなければ…」
編集長は、どうしても
岩神さんの小説を売りたいらしい。
でも、それだと…。
「我が社には、ベストセラー作家の蓮見先生が
居るではないですか!?
そんな頼らなくても…」
「だからこそだ。これから
ライバルになる2人が我が社でも争い合う。
話題になるぞ」
ダメだわ…完全に乗り気だ。
「ですが…」
「とにかく、我々もサポートするから
期待しているぞ。小野木」
「……はい。」
結局断る事も出来ずに
担当を引き受ける事になってしまった。
どうしよう。
ため息混じりになりながら
午後から蓮見先生の所に向かった。
こんなこと…先生には、言えない。
機嫌悪くなる姿が目に浮かんで仕方がない。
もしこっちの担当を降りろと
言われたらどうしよう。
インターホンを押すのもドキドキして
押せないでいた。
知られないようにしなくては……。
「えぃっ!!」
勢い任せにボタンを押した。
しかし、応答が無かった。
あれ?居ないのだろうか?
オロオロしながら見ていると
私のスマホが鳴った。



