「佐原先生ー、教材運ぶの手伝いに来ましたー。」

「おー。黒沢、最近は遅刻多くないか?体調とか悪いのか?」
ここ一週間ぐらい毎日、遅刻してくる私に佐原先生が聞いてきた。

「…体調悪くないです。朝が弱くて起きれなくて、寝坊です。」

「そっか。遅刻はよくないけど、体調悪くないなら良かったよ。あの時みたいに倒れたらと思うとな。」

あの時みたいに…。
先生は、あの日をことを覚えていた。

「あのときは、めちゃくちゃ暑かったな体育館。校長の話が長すぎて、汗だくだし俺らもきつかった。あの時に、倒れた子が黒沢だったなんてなぁー。」

ニッと笑う先生にドキドキで、顔を見ることすらできない。