一途な彼と不器用彼女①





蒼依「ねぇこの…水みたいな奴。
何なの? 」



疾風「それは涙だ、蒼依。
お前はあの日から涙を流せてなかった。
よかった、お前にまだ感情があって…。」



──涙



これが涙って言うんだ。


昔はたくさん泣いてたのにね。


ずっと1人だったから。



忘れてたんだ。


私にはまだ感情があったんだね。


も、消えちゃったのかと思ったよ。



蒼依「私まだ泣けたんだ。
泣けたんだ。」



──ポロポロ



そう思った時にたくさんの大粒の涙が。


多分いまの顔が一番不細工ではないかって思うほど。



陸「もー泣き止め、バカ。」



そうゆってまた拭いてくれる陸。