一途な彼と不器用彼女①




魁柊「やっぱてめー遊んでんじゃねーか!」



蒼依「あ……。」



疾風の話に夢中になりすぎてその問題忘れてた。



空良には後で怒るけど。


王覇のみんな、それが嘘って気付かないの?


空良と疾風ニヤニヤしてるから嘘だって気づくでしょ?普通。


それとも周りを観察する力がないの?



蒼依「空良も疾風もふざけないで。
私の元カレなんて誰もいないし。
好きな人は今も変わらないから。」



"なんだー!"って言いそうな顔をした王霸のみんなと悔しそうな悲しそうな顔をする空良と疾風。


疾風達とは昔からの幼馴染みだから。


もちろん、好きな人も知ってるわけで。


2人とも悲しそうな顔をする。


ごめんね、2人とも。


私がまだ吹っ切れてないから。


すぐに忘れれるなら忘れたかった。


忘れたくても忘れようとしても。


その度に彼との思い出が蘇ってくるの。


そして、私は改めて実感するの。



私は今も



──彼が好き…。