一途な彼と不器用彼女①



そして有紗の意識が戻ったのは俺が病院についてから約1時間後だった。


有紗「ん.....あ......ちゃ......」


有紗の声はいつもと変わらないはずなのに今日は何年かぶりに話したような感じがしたんだ。


そして有紗の意識が戻って俺は安心した。


もしかしたらこのまま死んでいくんじゃないか。って1時間の間に何回も思った。


なのに有紗は生き返った。


俺はその喜びで涙が出てきたんだ。


有紗「お兄...ちゃ...ん...。
泣か...ない...で。
有紗は...お兄ちゃ...んに泣いて...ほしく...ないよ...。
有...紗がん...ばるから...。
がんばって...この...病気治す...から...。
だか...ら...お兄ちゃ...んも...泣かない...で...?」


有紗は酸素マスクがつけられているから途切れ途切れしか話せないけどでも一生懸命俺に話しかけてくれた。


俺を元気つけてくれたんだ。


有紗はいつも病気と戦ってどんなに苦しい時でも涙を見せずいつも笑顔だった。